関数項級数 定義・例


定義(関数項級数、収束、発散)

各項が関数である級数を関数項級数と呼ぶ。
関数項級数
$f_1(x) + \cdots + f_n(x) + \cdots $
(または$\sum_{i=1}^{\infty}f_i(x)$とも書く。)を考える。
この級数の部分和
$S_n(x) = f_1(x) + \cdots + f_n(x) $
の列$\{S_n(x)\}$が点xで収束するとき、級数は点xで収束するといい、
$lim_{n \to \infty}S_n(x) = S(x)$
を和とよび、
$f_1(x) + \cdots + f_n(x) + \cdots = S(x)$
と書く。また、点xで収束しないとき、級数は点xで発散するという。

各項が$\mathbb{R}$上で定義された関数である級数
$1 + x + \cdots + x^{n-1} + \cdots$
の収束・発散を調べる。

解答

(解答)与えられた級数の部分和を
$S_n(x) = 1 + x + \cdots + x^{n-1}$
とおく。
$x = 1$のとき、
$S_n(x) = n \to \infty , (n \to \infty)$
から、級数は$x = 1$で発散する。
$x \neq 1$とすると、
$S_n(x) = \frac{1 - x^n} {1 - x}$
と変形できる。
$-1 < x < 1$のとき
$x^n \to 0 , (n \to \infty)$より、$S_n(x) \to \frac{1 } {1 - x}, (n \to \infty)$
よって、級数は$(-1, 1)$の各点xで収束し、その和は $\frac{1 } {1 - x}$
$x \leq -1, 1 < x $のとき $n \to \infty$とすると、$x^n$は発散するから、$S_n$は発散し、級数も発散する。